兄弟・姉妹を比較することは教育上よくない?

兄弟のうしろすがた

兄弟間の劣等感

兄弟のいるような家庭は、いくら兄弟で血が繋がっており、絆が深いといっても、やはり人間です。
もちろん喜怒哀楽の感情をお互いに持っており、当然のことながら一緒に生活をすれば、相手の劣っている部分、有利な部分が見えてきて、劣等感も感じます。
これは一種のコンプレックスともなりますが、兄弟はバランスを取りながら生活していきます。

通常は兄弟でバランスを取りますが、時には相手に対して突っかかるようなこともあります。
そのような場合は、親が場を納めて、バランスを確保し生活していきます。
しかしバランサーである親が、逆に兄弟を比較するとなると、余計に兄弟間のひずみを悪化させます。
将来にまで影響する根深い気持ちにしてしまうこともあり、注意が必要です。

ここで気をつけないといけないのは、比較すると、比較している本人である親に対し、兄弟は負の感情を抱きません。
親に愛されていないという子供が、他の兄弟に対し、憎しみや嫉妬を抱きます。
時には先生など他の人が認めてくれるおかげで、気持ちのバランスを保てる子供もいますが、小さい頃だと、家庭での生活が中心なので、より負の感情を抱きやすいです。

兄弟で比較する以外にも、親としては、男なんだから、女の子はそんなことをしていけないと、性別で差別することも、比較と同じく良くありません。
そのような比較することは、子供の気持ちを傷つけてしまい、中には深い傷を負い、大人になっても、傷を引きずることがあります。

大人になっても傷を引きずる

このような子供時代の経験は、大人になっても引きずる方が多いです。
兄弟間での劣等感やねたみなどの感情ですが、社会人となり仕事をするようになると、社会生活の中でも、子供時代の経験を他人に当てはめようとします。
会社での上司や同僚などで、兄弟が居れば、潜在的に上司よりも、もう一方の兄弟の方が愛されているなど、勝手に思いこみます。
そして勝手に思いこみ、相手に対し、あなたは親に比べられていると考え、憎しみの感情を抱くのです。

また小さいころに、親に愛されていないと感じていた子供は、三者間の関係を築くのが苦手なこともあります。
二人だけで1対1であれば上手く会話できる、相手と接することができるのに、そこにもう1人含み、3人になると、上手く関係を築けなくなります。
これは相手を独占しているという感情が根底にあることが原因であり、三者間だと、他人2人を相手にしないといけないので、独占が出来なくなるのです。

親は、バランスを取って愛情を注ぐようにして、兄弟を比べると、お互いに競争しようという競争心を鍛えるなどの面もありますが、遙かに劣等感を抱かせるなど、デメリットの方が大きいです。